特長
- 培地交換は2日~3日に1回*1
- 培地使用量を節約
- ご利用中の培地に適用可能*2
*1細胞種、細胞密度によって培地交換の回数の調整が必要となります。
*2現時点で特定の培地に対する不具合は確認されていません。
実施例
StemBeadsで育てたiPS細胞やES細胞のコロニーは典型的な形態を示すことが実証されています。
データご提供:京都大学物質−細胞統合システム拠点 (iCeMS) 長谷川 光一講師、吉田 則子研究員
■ヒト iPS細胞株 253G1* |
■ヒト ES細胞株 KhES-1 |
■ヒト ES細胞株 H9 |
性能評価1
■FGF量の変化
従来法によりFGF2を添加した場合、安定性の問題により、FGF2は激減します。StemBeadsを使用すると、3日間一定量でFGF2が徐放されます。 |
性能評価2
■従来法との未分化マーカーの発現量、核型解析、コロニー形態の比較
MEFフィーダー細胞上で1ヶ月間培養したヒトES細胞のFACS解析では、本製品を添加した培地を3日に一度の培地交換により培養した細胞と従来法により培養した細胞で類似したプロファイルを示します。しかし、qRT-PCRの結果では、NANOGの発現量が著しく上昇し、分化マーカーのSOX17やBrachyuryは著しく減少しました。hESCの正常核型を増殖前に評価して、従来法または本製品使用による増殖後1ヶ月の細胞についても評価しました。その結果、いずれも、異常は確認されませんでした。免疫細胞染色では、本製品の使用と従来法を比較した結果、コロニーの形態や多能性マーカーであるOCT4、NANOGの発現量が類似していました。 |
性能評価3
■ 従来法とのマウス神経幹細胞における未分化状態維持の比較
FGF2 Beadsは、マウスの神経幹細胞について未分化状態の維持に優れることが示されています。本製品を添加した培地を用い1週間培養したマウスの神経幹細胞は、従来法やFGF2を含まない場合と比較して前駆細胞(Nestin+)の数が上昇し、神経に分化した細胞(TUJ1+)の数が減少することが示されています(Scale bars=50microns)。 ここには掲載していませんが、ヒトの神経幹細胞でも同様の結果が得られています。 |
使用方法
- チューブの底にStemBeadsが沈んでいるため、懸濁液を再混合します。
- 培地1mlに対し、7.5ulのStemBeadsを混合します。
細胞種によりますが、細胞密度は低-中程度になるようにしますと、3日間培地交換なしで培養可能となります。
注)継代翌日に培地交換が必要なケースが多く報告されています。
FAQ
● 培地中に徐放されるFGF2の濃度はどの程度ですか? |
⇒培地1 mlに対し、7.5 µl のStemBeadsを混合した場合、FGF2の濃度は10 ng/ml です。実際のデータは前ページの性能評価1を参照ください。 |
● StemBeadsの細胞/コロニーへの付着が認められます。問題はありますか? |
⇒StemBeadsは生分解性ポリマーのPLGA [Poly(lactic-co-glycolic Acid)]から成りますので次第になくなり、細胞に悪影響はありません。 |
● StemBeadsの有効期限はどれくらいですか? |
⇒商品到着後、4℃保管で6ヶ月間はFGF2の活性は低下しません。 |
● StemBeadsはどのような細胞に適用できますか? |
⇒現時点では、ヒトES細胞、ヒト iPS細胞、マウスおよびヒト神経幹細胞での適用を確認しています。基本的に、Human FGF2を必要とする細胞には適用可能と考えます。 |
● 培地交換の操作は? |
⇒培地交換は、古い培地を除去後PBSで洗浄してから、新しい培地を加えます。 |
● StemBeadsの使用時は、培地が通常時よりも黄色に変色します。何か問題はありますか? |
⇒培地の交換頻度が少なく済むために、pHが早く変化して黄色に変色します。このような現象が起こっても、細胞の増殖能や分化に影響は与えませんが、避ける場合には低密度で細胞を播種してください。StemBeadsは低-中程度の細胞密度に最適化されています。 |
● ヒトES細胞やiPS細胞の融解後、直ぐにStemBeadsを用いて培養すべきですか? |
⇒融解した細胞は、より栄養を必要とするので、コロニーが形成されるまで毎日の培地交換をお勧めします。その培地交換でもStemBeadsを使用でき、コロニー形成が早くなります。 |
価格表
製品名 | メーカー製品番号 | 容量 | 価格 |
---|---|---|---|
StemBeads FGF2 | SB500 | 3.0 ml | 56,000 |
※記載の内容は、'13年3月現在の情報に基づいております。