第41回日本免疫学会学術集会 テクニカルセミナー
「自然炎症研究の最前線」
日時:2012年12月7日(金) 12:00~13:00
会場:L会場(神戸ポートピアホテル地下1階 偕楽3)
司会:廣田 勝也(ナカライテスク株式会社 マーケティング部 技術営業課)
座長:審良 静男(大阪大学免疫学フロンティア研究センター自然免疫学研究室 IFReC拠点長・教授)
※Olink社Gabriella Edfeldt M Scの講演に代え、弊社吉用による講演を実施します。
大阪大学免疫学フロンティア研究センター自然免疫学研究室 齊藤准教授の講演は変更ありません。
演題1:
in situ PLA法を用いたタンパク質の相互作用および翻訳後修飾の可視化・定量解析技術
吉用 賢治(ナカライテスク株式会社 マーケティング部技術営業課)
本セミナーでは、Olink社(スウェーデン)によって開発されたユニークな技術 『in situ PLA法』 について紹介します。本技術は免疫染色法・免疫組織化学法を応用した技術であり、細胞・組織における内在性タンパク質の相互作用や翻訳後修飾の局在観察を可能としました。また、その増感メカニズムによって1分子レベルでの検出が可能となり、さらに2種類の一次抗体の結合認識能を利用することで特異性の高い検出を実現しました。ターゲットの相互作用や翻訳後修飾は、染色像上にドットとして検出され、これらシグナルをカウントすることによって定量的な解析も可能となります。本セミナーでは、in situ PLA法の原理、および本技術を利用したアプリケーションについて紹介します。
演題2:
微小管を介したミトコンドリアと小胞体の近接はNLRP3インフラマソーム依存的な炎症応答を促進する
齊藤 達哉(大阪大学免疫学フロンティア研究センター自然免疫学研究室 准教授)
Nod様受容体ファミリーに属するNLRP3は、情報伝達因子ASCと共にNLRP3インフラマソームを形成し、プロテアーゼCaspase-1による炎症性サイトカインIL-1/IL-18の産生を誘導する。尿酸結晶やシリカなどの刺激性粒子によるNLRP3インフラマソームの活性化は痛風や肺炎などの疾患発症要因となるため、その活性化機構の解明と制御法の開発は重要な研究課題である。我々は、痛風治療薬コルヒチンがNLRP3インフラマソームの活性化を選択的に抑制することを見出し、現在研究を進めている。本セミナーでは、小胞体上のNLRP3とミトコンドリア上のASCが微小管依存的に近接してNLRP3インフラマソーム活性化を促進する機序を解説すると共に、情報伝達因子間の近接をProximity Ligation Assayにより検出するOlink社Duolink In Situ製品の有用性についても議論したい。
(出典:2012日本免疫学会総会・学術集会記録 第41巻)
軽食をご用意して、ご来場をお待ちしております。
展示ブースでも多くの製品をご紹介していますので、是非お立ち寄りください。